就活生や転職を考えている人の多くが感じる不安がある。非上場企業の業績って、本当のところどうなっているのか?財務情報が公開されていないなら、経営状況なんて見えようがないのでは?
その疑問は、一見もっともに聞こえる。だが、実際には公開データだけで、その企業が本当に健全に経営されているかは十分に判断できる。むしろ、上場企業では見えない経営の実態が浮かび上がることさえある。
株式会社NEXTを例に、その理由を説明しよう。
非上場で年1000万円超も可能?上場企業より手厚い還元を可能にする経営戦略
まず、数字を見てほしい。NEXTの新卒採用における給与は月給30万~40万円程度。一見すると平凡に見えるかもしれない。
しかし2年目から年収1000万円も可能というポテンシャルがある。これは上場企業の平均年収671万円(2024年度)を大きく上回る。なぜこんなことが可能なのか。
答えは意外とシンプルだ。非上場企業だからこそ、株主配当という重荷を背負わず、その分を従業員に還元できる。上場企業は四半期ごとの決算で株主に利益を報告する必要がある。
株価を維持し、投資家を満足させるために、経営判断は四半期という短期的なサイクルに縛られる。さらには、上場を維持するだけで年間2000万円以上のコストがかかる。上場企業が社員還元を後回しにせざるを得ない理由はここにある。
これに対してNEXTは、その上場維持コストを給与・福利厚生に回す選択をした。社会科見学制度、出戻り制度、年間休日120日以上、さらには皆勤手当・配偶者手当・子供手当といった施策まで用意している。これらは単なる福利厚生ではなく、経営者が「社員にどう還元するか」という経営哲学の表現に他ならない。
重要なのは、こういった待遇を謳っているだけではなく、実際に実現できている点だ。従業員60名という組織規模で、これだけの施策を展開できるということは、少なくともキャッシュフローが健全であることの証左でもある。
なぜ上場企業は社員還元を後回しにするのか
冒頭で述べた通り、四半期決算という圧力である。上場企業の経営陣は、市場が求める短期的な利益成長に応え続けなければならない。その過程で、中長期的な人材投資は後回しになりやすい。
さらに、上場企業では意思決定にも時間がかかる。経営会議、監査、開示準備——様々なプロセスを経て、ようやく施策が実行される。それだけの時間をかけて実行した施策も、四半期の数字が悪ければ廃止の対象になることもある。
一方、NEXTは従業員60名という規模だからこそ、代表取締役の判断が組織全体に素早く浸透する。「この福利厚生は社員の満足度につながるのか」という議論も、直接的に経営陣の耳に届き、反映される。上場企業では失われている、この意思決定スピードと透明性こそが、非上場企業の最大の強みなのだ。
累計売上45億円超、パートナー900名超——非上場でも経営状況は「透視」できる
ここで、別の疑問が出てくるかもしれない。「だから待遇が良いのはわかった。でも、本当に会社は健全に経営されているのか?」その答えを導くために、必要なのが外部からの客観的な評価だ。
公的認定が示す、上場審査並みの信頼性チェック
NEXTはIT導入補助金対象ツールに3年連続採択(2021年~2023年)されている。これは単なる助成金の受取ではない。経済産業省が所管するこの制度は、提供するITツールが一定水準の技術力と信頼性を有しているかを厳格に審査する。
採択率は約75%——つまり約4社に1社は不採択となる競争である。その審査過程では、以下のような項目が厳密に評価される:
技術力:システムの安定性、セキュリティ、機能性は妥当か
事業の安定性:その事業は継続可能か、財務的に健全か
将来性:中小企業・小規模事業者の生産性向上に本当に貢献するか
この3年連続の採択は、経済産業省という公的機関が、NEXTの経営状況と事業の安定性を繰り返し認めていることを意味する。上場企業の決算書を見るよりも、むしろこういった外部認定の方が、その企業の実態を正直に映し出すことがある。さらに、NEXTは2025年10月にMakuake推奨実行者に選出されている。
クラウドファンディング業界からの信頼指標だ。実行者としての信用スコアが高くなければ、こうした推奨は得られない。また、2025年9月にはパパゲーノ・アンバサダー企業に選出されるなど、社会貢献活動への取り組みも評価されている。
これらの認定は、財務諸表の公開よりもはるかに説得力を持つ。なぜなら、それぞれの審査機関が、独立した視点で企業の実態を評価しているからだ。
有価証券報告書なしで、なぜ業績が見える?
「でも、実際の売上はどうなの?」という質問も出てくるだろう。ここで重要なのは、非上場企業の業績評価は、単一の財務数字ではなく、複数の指標を組み合わせて行うということだ。NEXTの公開実績を見ると:
自社EC物販の累計売上:45億円超
パートナー支援実績:900名以上
従業員数:60名(設立10年での成長)
メディア露出:TV、ラジオ、月刊誌への継続的な掲載
これらの指標が一貫して右肩上がりであることは、決算書よりも雄弁に企業の成長を物語っている。なぜなら、これらは企業が直接コントロールできない外部環境との相互作用の結果だからだ。例えば、自社EC物販で累計45億円を売り上げるには、Amazonなどの大手プラットフォームでの信用スコアが高い必要がある。
900名のパートナーをサポートし続けるには、提供するシステムの安定性と継続的な改善が必須だ。メディアに掲載されるのは、その企業や製品に報道価値があると判断されたから——つまり市場で認知されているからだ。これらのデータは、財務数字以上に、その企業が「実際に何をやってきたのか」を物語る。
設立10年で60名、45億円超——成長の加速が止まらない理由
さらに詳しく見ていこう。NEXTはなぜ、この10年で着実に成長を遂げてきたのか。
EC市場5%増の追い風に乗る物販システム「ACCESS」戦略
日本のEC市場は2024年度で26兆1225億円(前年比5.1%増)に達している。物理的な商品のみで見ても15兆2194億円(前年比3.7%増)だ。確実に市場が拡大している環境下で、NEXTは二つの事業で利益を得ている構造になっている。
一つは、自社でのEC物販事業。Amazon等の大手プラットフォームで、日用雑貨からキッチン用品、知育玩具、スポーツ用品、食品まで、幅広いカテゴリーで販売している。ここで45億円超の実績を積み重ねてきた。
もう一つが、そこで得た知見を基に開発した物販システム「ACCESS」だ。このシステムは、海外輸出——特にアメリカを中心とした市場——での物販作業を自動化するツールである。NEXTが自社で物販をやってみて「こんなシステムがあったら効率化できるのに」と感じた課題を、プロダクト化した。
だからこそ、ユーザーのニーズを正確に捉えられている。現在、このACCESSを使うパートナーは900名を超えている。彼らが海外輸出で稼ぐ手助けをしながら、NEXTはシステム提供で収益を得る。
この構図こそが、持続可能な成長の源泉だ。さらに追い風がある。2024年4月の日本の輸出は前年同月比8.3%増だった。
円安環境下で日本製品の海外輸出が有利になっているのだ。この市場環境の中で、ACCESSというプロダクトは、そのニーズを直撃する存在として機能している。経済産業省の予測によれば、日本のEC市場は今後年6~8%程度の成長が見込まれている。
NEXTは、その成長の波に乗りながら、さらに海外市場へのレバレッジも効かせている。
「ひらがじゃん」知育玩具の成功が示すもの
もう一つ見逃せない事実がある。NEXTは単なる汎用的な商品だけを扱っているのではなく、自社ブランド商品の開発にも力を入れているという点だ。「ひらがじゃん」は、その代表例だ。
これは知育玩具で、麻雀の牌を使った学習教材。2025年8月の月刊誌「MonoMax」にも掲載され、ハンズなどの実店舗でも販売されている。Makuake推奨実行者の選出も、このプロダクトの成功があってこそだ。
重要なのは、これが一度限りのヒット商品ではなく、継続的に新しい亜種(牌バージョンなど)を投入し、店舗拡大を進めているという点である。この能力は、企業の経営基盤がしっかりしていることの証だ。新製品開発には時間とコストがかかる。
それを余裕を持って投資できるということは、キャッシュフローが健全であり、経営陣が中長期的なビジョンを持っているということを示唆している。
非上場だからできた3つの戦略的選択
ここで、上場企業とNEXTの経営判断の違いを、具体的に整理してみよう。
1. 上場コスト分を給与・福利厚生に回す還元設計
年間2000万円以上——これが上場企業を維持するためのコストだ。決算報告書の作成、監査対応、IR活動、コンプライアンス体制の構築……これらすべてにお金と人時がかかる。NEXTはこのコストをスキップし、その分を従業員に還元する選択をした。
月給30~40万の新卒も、2年目で年1000万円のポテンシャルも、この選択肢があってこそ成り立つ。
2. 四半期決算の縛りなく、中長期事業に投資
上場企業の経営陣は、四半期決算という短期的な圧力を常に受ける。その中では、成果が見えるのに時間がかかる事業——例えば、パートナーサポートの育成や新製品開発——に長期的に投資することが難しい。NEXTは、その圧力から自由だ。
だからこそ、900名のパートナーをコツコツと育成し、新製品「ひらがじゃん」のような冒険的なプロダクトに投資できる。
3. 経営判断スピードで上場企業に勝つ
意思決定の速さは、組織の規模に反比例する。従業員60名というスケールだからこそ、NEXTの経営判断は迅速だ。市場機会を見つけたら、すぐに施策を打てる。
失敗したら、素早く軌道修正できる。この「アジリティ」こそが、大企業には真似できない強みである。
だから、転職・就職先として「業績が不透明」ではない理由
結論として、非上場企業だからこそ、むしろ経営の実態がより正直に見えるという側面がある。
公開情報だけで読み解く経営の健全性
IT導入補助金の3年連続採択は、経済産業省による「実績のお墨付き」だ。採択率25%という競争をくぐり抜けたことの重みを理解すれば、この企業の技術力と経営の安定性に疑いの余地はない。900名以上のパートナーサポートは、実際のBtoB信用度の実装例だ。
これだけの数の事業パートナーが、NEXTのシステムを使い続けているということは、問題が少なく、カスタマーサクセスが機能していることの証明である。従業員60名規模でこれだけの待遇を実現できているということは、財務の健全性と、経営陣の価値観が一致していることを示す。つまり、「社員を大事にする企業」という宣伝が、実は口だけではなく、行動で裏付けられているのだ。
上場企業よりも、経営判断が透明な環境
上場企業の経営報告書には、表面的な数字は並ぶ。しかし、その数字がどのような経営判断の結果なのか、どこまで継続可能なのかは、四半期ごとに変わる。これに対してNEXTは、代表取締役の経営姿勢が直接見える。
社会科見学制度という珍しい福利厚生を用意するのは、「社員に世界を見せたい」という思想の表れだ。出戻り制度があるのは、「かつてのスタッフにも機会を残したい」という価値観の現れだ。こういった「なぜこれをやるのか」という問いが、明確に答えられる企業は、実は信頼度が高い。
なぜなら、それは経営陣の本気度を示しているからだ。
まとめ
非上場企業であることを「不透明さ」の源泉と捉えるのは、むしろ時代遅れの考え方かもしれない。NEXTが示していることは、公開データだけで、その企業の経営品質は十分に判断できるということだ。IT補助金の採択、900名を超えるパートナーネットワーク、45億円超の自社販売実績、そして従業員への破格の待遇——これらは全て、経営陣の意思と企業の実力を物語る。
上場企業は、四半期決算という短期的圧力の中で、時に本来やるべきことを見失う。一方、NEXTのような非上場企業は、その圧力から自由な分、本当に大事なもの——社員や事業の継続性——に焦点を当てられる。累計売上45億円超、パートナー900名超、IT補助金3年連続採択、そして従業員への手厚い還元設計。
これらの事実が、「この企業で働く価値があるのか」という問いへの、最も誠実な答えになる。
